似合いの2人

二人とも、かっこいいなぁ……。

 

 

 

ふざけながら言い合う二人を見ながら、思わずため息をついた。

 

 

一つ年上の先輩の亜紀さんと、永瀬さん。
営業一課でバリバリ働いて、生き生きしてて、仕事に自信とやりがいを持ってるのが見ているだけて伝わってくる。

 

 

女性にしては背の高い亜紀さんが、長い髪を無造作に一つにまとめて颯爽と歩いていくのを、いつも私は受付のカウンターの中から憧れのまなざしで見ていた。

 

濃い色のシンプルな細身のパンツスーツ、すごく似合っててかっこいい。

 

 

優柔不断で口下手な私には、どんなに憧れたって営業なんてとても無理だってわかってるけど……。

 

 

そんな事を思いながら、会社から支給された自分の着ている薄い茶色の制服を見下ろして、ため息をついた。

 

「あ、そうだ。
今日私残業なさそうだからさ、詩織飲みに行かない?
なんか用事ある?」

 

亜紀さんの言葉に、慌てて顔を上げて頷いた。

 

「あ、大丈夫です!」

 

「じゃあ、仕事終わったら休憩室で待ち合わせしよ」

 

 

じゃあねー、と太陽みたいな明るい笑顔を私に向けて軽く手を振りながら
亜紀さんは永瀬さんと一緒にエレベーターホールへと歩いていく。

 

 

 

ふたりとも、この会社ですごく目立つ存在だ。

 

美人なのに少しも気取らず、ガツガツと仕事をする男勝りの亜紀さんと
社内でも1、2のイケメンと評判の永瀬さん。

 

 

「私もあんな風に自信を持てたらいいのになぁ……」

 

 

 

二人の後姿を見送りながら
大きなため息をついた。

 

「はぁー?詩織が私みたいになりたいって?」

 

 

 

 

私の言葉に亜紀さんは、手にしていたビールのジョッキをテーブルに置いて、目を丸くした。

 

 

「なにそれ。
本気で?お世辞じゃなくて?」

 

「もちろん本気ですよ。
私いっつも外回りに出る亜紀さんを受付で見ながら、カッコいいなぁって憧れてるんです」

 

 

仕事帰りに来た、会社の近くの洋風居酒屋。
メニューの豊富さと、店の雰囲気がお気に入りの、私たちの行きつけのお店だった。
今日も仕事帰りらしいサラリーマンやOLで賑わってる。

 

 

「えー!
詩織ちゃん、こんな女に憧れちゃダメだよー!」

 

 

私たちの会話を聞いてた永瀬さんが大袈裟に顔をしかめた。